カジノはイカサマをするのか?できるのか?

カジノで行われるイカサマは、大きく分けると次の3つが挙げられる。

1 客がカジノの金を奪うためのイカサマ
2 従業員がカジノの金を奪うイカサマ
3 カジノが客の金を奪うイカサマ

このうち、1と2は実際に頻繁に行われているし、カジノはこれを防ぐための様々な仕組みを導入している。
しかし、多くのプレイヤーにとっては関係がないことだ。

普通のプレイヤーが最も関心があるのは、3のカジノが客の金を”さらに”奪うためのイカサマをしているのかどうかだ。
プレイヤーはもともと不利なルールを強いられているうえに、イカサマまでされたら手も足もでない。
では、実際にどうなのだろう。

カジノはイカサマが可能なのか?
残念ながらこの答えは、YESだ。
技術的に、カジノはイカサマが可能だ。
しかも、とても簡単にできる。

では、これが重要なのだが、カジノはイカサマをするのか?
この答えはNOだ。
カジノは、客の金をより多く巻き上げるためにイカサマをすることはない。

これらのことについて、次に解説する。


カジノはイカサマができる


カジノはやろうと思えばイカサマができる。
考えうるあらゆる方法を洗い出してみると、とても単純なものから、まるでSFのように大げさでバカらしいものまである。

ブラックジャックでイカサマをする方法

あまり知られていないが、カジノが客から金を巻き上げるためにイカサマをするならば、ブラックジャックが最も適している。
なぜなら、客を負けさせるためには、デッキの中から絵札を数枚抜き取ればいいだけだからだ。
たったそれだけのことで、カジノ側の勝率は飛躍的に向上する。

なぜか。
ブラックジャックのルールでは、ディーラーは17になるまで強制的にヒットしなければいけないので、絵札が少なければ少ないほどディーラーがバーストする確率が低くなる。
一方プレイヤーは、勝負所でダブルやスプリットに挑戦し絵札を切望するので、その絵札が少なければ、不利な戦いを強いられる。
また、絵札が少なければ1.5倍の配当を得られる”ブラックジャック”も出現しにくくなる。

そして、絵札を抜き取るのはどんなイカサマよりも簡単だ。
ディーラーは特別な作業を必要としない。というより、責任者が行えば、ディーラーに知らせる必要もない。
プレイヤーが何かおかしいと感じたとしても、それを確認するすべはない。
一部のカジノでは、絵札を抜き取っていないことを証明するために、ブラックジャックのシューが始まる前に全てのカードを表にして絵札が全て揃っていることを提示するが、これを行うには時間と手間がかかるため、ほとんど行われていないのが実情だ。

大小でイカサマをする方法

大小で客の金を巻き上げるためには、場が沸騰し、大金がかかった頃合いを見計らってゾロ目を出せばいい。
これを実現する方法は、素人が考えてもそれほど難しくはないことが分かる。
例えば、ダイスに磁石でも入れて遠隔操作すればいいだけだ。
旅行記の傑作「深夜特急」の香港・マカオ編の中で、作者はカジノがゾロ目を自在に出せると信じ、その裏をかこうとする奮闘している。
それが真実なのか思い込みなのかは別として、ギャンブラーの心理として実によく分かる内容となっている。

ルーレットでイカサマをする方法

ルーレットでイカサマをするには、狙った目に自在に入れることができれば可能だ。
ルーレットはスピンの後に賭けることができるから、これは意味がないとい考え方もあるが、アウトサイドベットが多いタイミングででゼロを狙えばこの問題は解決する。
ただし、ルーレットのディーラーはポケットを自在に選べるというのは迷信だ。
それについては、別に解説しよう。
もしルーレットでイカサマをするならば、ボールとホイールに磁石でも仕込めば簡単にできるであろう。

バカラでイカサマをする方法

バカラは、ブラックジャックと違ってバンカーとプレイヤーのどちらにも賭けることができる。
そのため、カードを抜き取るといった細工に意味がない。
しかし、もしもディーラーが天才的なマジシャンだったらどうだろう。
ボックスからカードを抜き取ったあとに、どこかに隠していたカードとすり替えれば、任意のサイドに任意のカードを配ることがでkる。
バカラはどちらかのサイドに賭け金が集まりやすいゲームなので、ここぞというときに、カジノを勝たせるほうに良いカードを配ればいい。
なお、なにも天才的なマジシャンを使わなくて、機械に仕掛けをほどこせば、客に不利なカードを配ることが可能であろう。


マシンゲームでイカサマをする方法

最近のカジノにはスロットをはじめ、マシンバカラ、マシンルーレット、マシンクラップスなどあらゆるゲームが電子化されて設置されている。
これらでイカサマをするのは、プログラム1行で済む。



他にも、現代科学の最先端技術を取り入れれば、イカサマの方法はいくらでも存在する。

しかし。
できることと、実際にやることは全く別の話だ。
推理小説でも、動機があって犯行現場にいたからといって、犯人とは限らない。

カジノもイカサマができるとしても、実際にはイカサマをしない。
なぜなら、イカサマをするメリットよりも、デメリットの方がはるかに大きいからだ。

以下にカジノがイカサマをしない理由をあげよう。
これは、あまりにも多く、そして説得力がある。

カジノはイカサマをしない


カジノは何もしなくても儲かる

考えてみて欲しいのだが、日本で行われている公営の宝くじでイカサマが行われていると思うだろうか?
日本の宝くじも、当たりくじを印刷しなければいいのだから、技術的には簡単にイカサマができる。
しかし、そんなことをする必要はない。
きちんと当選金を払っても、十分に胴元は儲けることができるからだ。
むしろ、当選者を出すことによって、もっと宝くじの宣伝をして欲しいと願うだろう。
もしイカサマしてバレてしまえば、宝くじを購入する人はいなくなってしまう。
そんなことになったら目も当てられない。

この理屈はカジノにも全て当てはまる。
カジノで行われるゲームは、全てカジノ側に有利なルール設定となっている。
これをハウスエッジ、ハウスアドバンテージと呼ぶ。
これは1ゲームあたり、テーブルで動いた金額のうちカジノの収益となる割合で表すことができ、一番小さいものでクラップスの0.8%、大きなものだと60%を超えるようなハウスアドバンテージがあるゲームもある。
これは、宝くじ以上のぼったくりだ。

このハウスアドバンテージがある限り、数ゲーム単にならカジノ側は負けることは絶対にない。
カジノは宝くじの胴元と同じように、客が増えれば増えるほど、一定の割合の利益が保証されている。
だから、イカサマなんかをするより、カジノで勝った人間を称賛し、「うちのカジノでこれだけ勝った人がいますよ」世界中に宣伝したいと願っている。

カジノライセンス

世界中で国、または地域の法律によって認可されたカジノでは、監視委員会によってイカサマの有無を厳しくチェックされている。
万が一イカサマが発覚したら、グループのカジノ全てが営業停止になってしまう。
前述した通り、カジノは客さえ来れば収益が保障されている。
言うならばカジノライセンスとは金のなる木だ。
イカサマによって得るわずかな利益で、大切な金の成る木を失っては元も子もない。

イカサマ防止システムとの矛盾

イカサマを疑うのは、客だけではなく、カジノ側も同じだ。
カジノは、客や従業員がイカサマをすることを強く警戒し、そのためのシステムを多数導入している。
その例の一つが、ブラックジャックやバカラなど、カードを使うゲームに設置されているエンジェルアイという機械だ。
これは、カードに特殊なインクが付着して、どのカードがいつ配られたかをカジノ側が補足するシステムだ。
もしカジノがカードゲームで客を騙そうとするならば、せっかく導入したエンジェルアイの効果を無効化しなければいけない
更にいうと、このエンジェル・アイを作っている会社は日本の大阪にあり、ここの従業員にも口封じをしなければいけないであろう。


関係者の告発

イカサマをする方法はいくつもあることを前述したが、どれもオーナーがこっそり1人で仕込むことは不可能だ。
必ず協力者を必要とする。
しかし、カジノビジネスはとても大きな大産業だ。
そこには、ディーラー、ウェイトレス、セキュリティ、ボディガード、清掃業者などカジノ内部の人間だけでなく、ホテル、機械メーカー、建設会社、電気会社、水道会社など、ありとあらゆる人達が出入りする。
退職者まで含めれば、何百万人もの人が、カジノに関わっていることであろう。
もしイカサマをするならば、この人達の口封じをしなければいけない。
そんなことが可能だろうか?
今の時代は、ソーシャルメディアも発達しているので、人事に不満を持ったディーラーがツイッターで「うちのカジノはこの方法でイカサマをしている」と告発するかもしれない。
功名心や、ちょっとした金銭的見返りでマスコミに情報を提供するかもしれない。
そんなリスクを背負ってまでカジノがイカサマをするであろうか。

ディーラーが客と組むのを恐れる

仮にカジノがイカサマをしていて、ディーラーは自在にルーレットの目を出せるとしよう。
果たして、そのディーラーはカジノのために収益をあげてくれるだろうか。
中にはカジノに忠実なディーラーもいるかもしれないが、その場合、自分の知り合いと組んでカジノの金を横流ししようとするはずだ。その方が手っ取り早く儲かるからだ。
カジノオーナーは、それを一番警戒する。
だから、カジノは腕のいいディーラーを雇いたがらないし、統計よりも多く勝つディーラーを徹底的にチェックする。


カジノがイカサマに手を出さない理由は、他にもまだまだあるが、もうこのへんでいいだろう。
カジノはイカサマをしないのだ。

もしかしたら、これでもまだカジノはイカサマをすると疑っている人がいるかもしれない。
そもそも「ない」ことを証明するのは難しい。
これを悪魔の証明という。
カジノがイカサマをしないことを証明するのは、まさに悪魔の証明だ。
どれだけ根拠を述べたところで、カジノがイカサマをすると信じている人の意見を変えることはできない。
もしこの記事を読んでもなお、「カジノはイカサマをする」というのであれば、カジノに出入りするのをやめるべきであろう。
君子危うきに近寄らずという言葉の通り。


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